このところ駅伝の話しかしていなかった筆者です。
昔長距離の競技やっていたのでどうしてもみてしまいます。
とりあえず今年、旭化成が九州予選の出場辞退はしないようで一安心しています。
さて、駅伝の話はさておき、今回ご紹介したいのは小野不由美氏の
残穢です。以前、鬼談百景でお話して百物語の百話目になります。
一言でいうと怖かったです。
悪霊が襲ってくる系のあれではなく、前にも例えたようなきがしますが
夜眠るときに部屋の隅っこが妙に気になるタイプのじわじわとした怖さがあります。
主人公である「私」が読者の投稿や相談をもとに、糸を手繰るように怪談の根元を
調べていくストーリーなのですが、終盤、その糸は闇に溶けてしまいます。
つまり、怪談の正体はわかりません。土地に因縁があるという所までは
分かるのですが、結局、そこの根本に何があったのかはわからないままです。
でも確かに異常はあって、そこここに絶対に何かいる、ある、というのは
恐ろしいものです。
そして我々に「訳が分からないものや理解できないものは怖い」ということを
教えてくれる本でもあります。
ただただよくわからないうちに怪奇現象が連鎖して、少しずつそこにたまっていく、
そんな感覚があります。
でも、ぼんやりしているからこそ何かがある、というのはわかるという
訳の分からない怖さ・・・うーんうまく表現できない。
ぜひともお手にとってみてこの何とも言えない怖さを分かってほしいです。
この作品、2016年に映画の上演が決まっています。
このよくわからない怖さが銀幕でどのように表現されるのか
楽しみでもあります。
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