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本の紹介:下町不思議町物語

暖かかったり寒かったりしますがこんにちは。
この時期は日中は暖かいですが急に寒くなることもおおいので
薄手の上着は持っていきましょう。

今回ご紹介するのは、香月日輪氏の下町不思議町物語です。
このお話の主人公の須田直之は親の離婚がもとで転校してきますが、
自分を疎ましく思っている祖母、何かと難癖をつけて苛めてくるガキ大将、
(その母親もモンスターペアレント気味)全く頼りにならない父親、
となかなかに辛い環境にいます。
また、直之は大きな病気をしたために心身の成長が遅れており、
そのことが父と母の離婚の理由にもなっています。

そんな彼が入り浸る不思議町は普通の人には見えない町です。
そこの住人達に迎えられることで彼は少しづつ成長してゆきます。
その住人は明らかに人でないものや一応形は人をしているもの、
さまざまな不思議であふれた町で、骨董屋の主人、高塔に
色々なことを教えてもらい、不思議な事にであいながら
彼は夏休みを過ごします。

前述に書いた通り、直之を取り巻く環境は
おもわず不思議の町の喫茶店の常連たちが胸を詰まらせてしまうくらい
厳しいものです。
それでも直之はへこたれず、時にガキ大将に反撃をするくらい
元気に過ごしていましたが、ある日ついに限界が来ます。

物語全体はなんとなく名作「となりのトトロ」を思い起こさせる、
全体的に緩やかに時間が流れていくお話です。
だからこそ、直之が現実にいるときの環境が子供には辛いだろうなあと
思わずにはいられません。

物語の終盤でも彼はいつも通り不思議の町に通いますが
「もう毎日、彼はここに通ってくることはないだろう」と書かれています。
おそらく、その間隔もだんだんと長くなり、やがて直之が不思議の町を
訪れる日はなくなるでしょう。
それは直之が成長したという暗示でもあるのでしょう。

それでも不思議の町はずっとそこにあり続けるのでしょうね。
割と日常と非日常の世界が近くにあるように。


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